技術は誰が育てるもの?

長文チラシの裏です。

XPがそろそろサポート切れますね。

世論を見ているとよくあるのが

「家電製品は10年でも20年でも使える。なんてパソコンだけ買い換えさせられるんだ」

「システム会社の金儲けじゃないか。」

「新しいものなんか要らない。今のものをずっと使えるようにしてほしい。」

否定派の意見はいろいろあります。
時にはちょっと考えさせられるものも。

ですが、おいちゃんはやはり立場上、このサポート終了には意味があると考えるのです。
企業はITの進化でいろいろ恩恵を受けてきました。その恩恵に対する対価はどこに支払われているのでしょうか。
商品を買った代価だとか、システム開発費だとか、もちろん、企業は作られたものに対しての代価は支払っています。
けれど、その商品が世に生まれるに至った努力に対する対価は支払っていますか?
金銭のみではなく、技術が進化することに対する貢献をしている企業は今の世の中にどれだけあるでしょう。

世の中どんどん便利になります。
便利になるための対価はどこから生まれてくるのでしょう。
便利を作る人々の生きる糧はなんなのでしょう。

どこかの狂った守銭奴が言うのように精神論だけで便利を創り出す技術者は生活していけるのでしょうか。次の便利を創り出せるのでしょうか。

技術者はとても強欲です。
ちゃんとした生活基盤を欲しています。
新しい技術を習得する時間を欲しています。
一行でも多くのコードを書き、それを動かすための環境を欲しています。
新しい技術に触れるチャンスを欲しています。

でも同時に技術者の多くはサラリーをもらって上司の命令に従う義務を負っています。
生活基盤をきちんとしたくても、タスクが多ければしかたないので終わるまで残業をします。
新しい技術を習得する時間が欲しくても、10年前から見知らぬ誰かが書き足し続けた長大なコードを読み解いて、実際に機能しているほんの数行を特定し、修正する時間を優先します。
少しでも多くのコードを書いて実行したくても、電源を入れて起動まで5分待ち、そしてIDEを起動するまで5分待ち、小さなモニタでコードを書いて、コンパイルされるまで10分待って、30分かかるテストを実行します。
新しい技術に触れたくても、顧客に指定された、会社に決められた前のプロジェクトと同じミドルウェア、フレームワークで前のプロジェクトと同じコードを書きます。

彼らは本当に強欲なのでしょうか。
そして彼らの作ったものを使う我々は本当にそれを使うに値する対価を払っているのでしょうか。

XPのサポート終了で色々な人たちが大変苦労をしています。
でも、それをすることでいろいろな技術者が新しい技術に触れるチャンスを与えられ、過去の誰かが埋め込んだデッドロジックを捨てて新しいコードを書き、XPまでしか対応していないミドルウェアやフレームワークから抜け出して新しいものに触るチャンスを与えられる、新しい世界に一歩を踏み出せることも事実です。
彼らは苦労するでしょう。
だって見たこともないようなフレームワークがどうしてそういう仕様なのかを調べながらコードを書かなくてはいけないのですから。
それでも技術者は変わらぬものを変わらぬように作ることよりはよほど楽しんで仕事をすることが出来ます。

新しく作られたものを使う人は困惑するでしょう。
昨日までクリックしていた場所にボタンがない。昨日までと同じ操作をしたのに違う挙動をする。とても困るし、腹立たしい事態です。
でも考えてください。
あなたが十年前に行っていた生活と今の生活は全く違いがありませんか?
法律も変わっています。人々の嗜好も変わっています。あなたが持っている電化製品だって変わっているのではないですか?
少し調べれば法律が変わった時や電化製品が変わった時と同じようにきっと解決が見つけられます。

僕たちはそれをお手伝いします。気軽に声をかけてください。みなさんが、僕らの技術を良いものだと思ってくださるように少しでもお手伝いします。何歳の人でも、機械が苦手な人でも、古いものに別れを告げ、そっと記憶の箱にしまい、新しいものに手を伸ばす、その時のお手伝いをすることを僕らは厭いません。

今のITによるユーザの恩恵は「ずば抜けた技術者一人によるもの」よりも「多くの、スキルレベルに差がある技術者たちが同じように作れること」が大きく貢献していることは間違いありません。
もちろん、技術の飛躍というのはたった一人か数人のウィザードレベルの凄い人が新しい何かを構想し、作り上げることが大きなきっかけであるというのは大いにあると思います。
でも、おいちゃんたちのような市井の働く人がその恩恵を受けるにはやはり一般的な技術者たちが作り出したものがほとんどなのです。
魁より始めよとはちょっと違いますが、便利なものを欲するのであれば、まず、身近な便利なものを作っている人たちに対してさらに便利なものを作れる環境を少しでも与えることが要求に対する近道なのではないでしょうか。

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カテゴリー: お仕事, もの言わぬは腹膨るるわざなり タグ: パーマリンク

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